新型コロナウイルスの影響で、酒を出す飲食店への休業要請が続いている。長引く「禁酒令」にしびれを切らし応じない店や客も後を絶たないが、そうした店での飲酒や会食で感染が広がる事例が少なくない。感染した人たちは「自分は大丈夫と考えない方がいい」と後悔の念を口にする。(五十嵐聖士郎)
「自業自得と思い、自宅で高熱に耐えていたが、体が限界だった」。大阪・北新地で飲んだ2日後に発熱し、感染がわかって入院した大阪市の会社経営の男性(47)は、そう振り返る。
知人3人とラウンジを訪れたのは8月初旬。府内では、緊急事態宣言を受けて酒を出す飲食店に休業が要請されていた。
しかし、男性はいつもと変わらず接待などで毎週のように飲んでいた。感染を防げると評判だった点鼻スプレーを使うなど、自分なりに対策をしていたつもりだった。妻に「ほどほどにしないとうつるで」と諭されても、自分は感染しないとたかをくくっていた。
訪れたラウンジには飛沫(ひまつ)を防ぐアクリル板などはなく、飲み物をかき混ぜるマドラーはテーブルに1本だけ。接客の女性とは互いにマスクなしで会話した。ほかにも数組の客がいた。
違和感を感じたのは2日後…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル